
コラム
無機塗料のデメリットとは?アレスダイナミックMUKIの特徴と向いている家・向かない家
「次の塗り替えまでの期間をできるだけ長くしたい」という方にとって、無機塗料は気になる選択肢の一つです。無機塗料は耐用年数の長さが魅力ですが、どんな家にも向いているわけではありません。この記事では、無機塗料の仕組みと知っておきたいデメリット、関西ペイントの「アレスダイナミックMUKI」の特徴、無機塗料が向いている家・向かない家を解説します。
無機塗料とは|ガラスや陶器と同じ「無機物」を使った塗料
無機塗料は、ガラスや陶器、石などと同じ無機物を主な成分にした塗料です。無機物は分子の結びつきが強く、紫外線の影響を受けにくいため、塗膜が劣化しにくいという特長があります。ガラスが長い年月を経ても変質しにくいのと同じ理屈です。
ただし、無機物は硬く、そのままでは塗料にできません。そこで実際の無機塗料は、無機物に有機物(樹脂)を組み合わせてつくられています。有機物が含まれる以上、無機物だけの素材に比べれば劣化は進みます。「一度塗れば半永久的に持つ」わけではないことは、最初に知っておいてください。
無機塗料の耐用年数|ほかの塗料との比較
塗料の耐用年数は、一般にアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機の順に長くなるといわれています。ただし、同じ種類の塗料でも製品によって差があり、立地や施工前の外壁の状態でも変わります。
塗料の種類 | 耐用年数の目安 |
|---|---|
ウレタン樹脂系 | 約6年 |
シリコン樹脂系 | 約10〜13年 |
フッ素樹脂系 | 約15〜20年 |
無機系 | 約20年以上(アレスダイナミックMUKIのメーカー表示は15年以上) |
※一般的な目安です。同じ種類の塗料でも、製品によって耐用年数の表示は異なります。
アレスダイナミックMUKIの特徴
アレスダイナミックMUKIは、関西ペイントが販売している水性の無機塗料です。
- 無機と有機のハイブリッド:無機成分に、有機成分としてフッ素樹脂を組み合わせている
- 超長期耐久:メーカーは15年以上の耐久性をうたっている
- 水性:溶剤系の塗料に比べてにおいが少ない
当社では「無機塗料」というより「無機有機ハイブリッド塗料」と考えてご説明しています。
無機塗料のデメリット
無機塗料そのものの性能は高いのですが、家全体のメンテナンスという視点で見ると、次のようなデメリットがあります。
1. 1回あたりの工事費用が高い
無機塗料は、シリコン樹脂系やフッ素樹脂系の塗料より材料費が高く、1回の塗り替え費用は上がります。長く住む予定がない場合は、高い費用を回収しきれないこともあります。費用の目安は外壁塗装の相場の記事をご覧ください。
2. 外壁以外の部分と寿命がずれる
家には外壁のほかに、雨樋、破風、軒天、シーリング、鉄部、木部など、さまざまな部材があります。これらの中には無機塗料を塗れないものや、別の塗料を使うものがあり、耐久性もそれぞれ違います。外壁だけが長持ちしても、シーリングや付帯部が先に傷めば、結局はそのために足場を組むことになります。
3. 足場を組んで点検する機会が減る
塗り替えで足場を組むと、地上からは見えなかった屋根や2階まわりの傷みが見つかることがよくあります。塗り替えの間隔が長くなると、こうした傷みに気づく機会も減ってしまいます。
4. 次の塗り替えで手間と費用がかかることがある
耐久性の高い塗料の上から塗り替えるときは、特殊な下塗り材が必要になる場合があります(フッ素樹脂系の塗料でも同様です)。下塗りや下地調整の費用が上がり、次回の塗り替え費用が想定より高くなることがあります。
無機塗料が向いている家・向かない家
向いている家 | 向かない家 |
|---|---|
この先も長く住み続ける予定がある | 10年以内に住み替えや建て替えを考えている |
塗り替えの回数そのものを減らしたい | 1回あたりの費用をできるだけ抑えたい |
付帯部やシーリングも耐久性の高い材料で一緒に工事できる | 付帯部の傷みが激しく、こまめな手入れが必要 |
外壁材そのものの状態がよい | 外壁材にひび割れや反りが多く、補修を優先したい |
長く住む家では、1回の費用が高くても、塗り替えの回数が減ることでトータルの費用を抑えられる可能性があります。ライフプランに合わせて考えることが大切です。
当社の考え|塗料に「良い・悪い」はない
最近は塗料の情報が手に入りやすくなり、フッ素塗料や遮熱塗料、無機塗料についてご相談をいただく機会が増えました。現在、当社で最も人気のある塗料は、耐用年数の長い無機塗料です。
一方で、耐久性が高いことが、必ずしもその家にとって最善とは限りません。お客様のお家の状態やライフプラン、ライフステージに合わせて、フッ素塗料やシリコン塗料をおすすめするケースも多くあります。
どの塗料が良い・悪いではなく、住まい方と予算に合っているかどうかで選ぶことが大切です。
まとめ:無機塗料は「長く住む家」で真価を発揮する
- 無機塗料は無機物と有機物を組み合わせた塗料で、紫外線に強く耐用年数が長い
- デメリットは、費用の高さ、付帯部との寿命のずれ、点検機会の減少、次回の塗り替えの手間
- アレスダイナミックMUKIは、関西ペイントの水性の無機有機ハイブリッド塗料
- 長く住む予定があり、付帯部も含めて計画できる家に向いている
小林塗装工業では、外壁の状態と今後の住まい方をうかがったうえで、ご要望に応じてシリコン・フッ素・無機の塗料を比較してご提案します。