久しぶりの更新になりました。
雨で作業ができないので、もっと更新するつもりでしたが、意外とやることはたくさんあることに気づかされ今になってしまいました。
無機塗料とは
無機塗料は最近出てきた塗料で、注目すべきはその耐候性や耐用年数の長さです。
まだ出てきたばかりなのではっきりとは言えませんが、理論上はフッ素よりも長いと言われています。
「塗料別耐用年数の想定」
アクリル < ウレタン < シリコン < フッ素 < 無機
実際は製品によるところがあるので一概には言えませんがこのような想定の耐用年数です。
なぜ耐用年数が長いのかというと無機物を使用しているからです。
身の回りにある無機物と言えばガラスや陶器などです。
無機物にはいろいろな特徴があるのですが、塗料で言われるのは耐候性の強さです。
例えばガラスは半永久的に持つと言われています。
分子の結合が強く紫外線による影響を受けにくいのです。
このような無機物の特性を塗料に持ち込みました。
ただ、厳密には無機物は硬くそのものを塗料にすることは困難です。
そのため、有機物と無機物を混ぜることで塗料化に成功したようです。
塗料メーカーさんの努力の賜物ですね。
ただし、有機物が入るので無機物そのものよりは劣化は進みやすくなります。
耐候性は理論的に長いですが、一度塗れば半永久的に持つということではないのでご注意を!!
アレスダイナミックMUKIとは
上記のような方法で作られたのが「アレスダイナミックMUKI」という関西ペイントの水性塗料です。
ですので「無機塗料」ではなく「無機有機ハイブリット塗料」となっております。
有機物にはフッ素を使用しているそうです。
パンフレットをいただいたのですが高級感があります。
超長期耐久という文言で15年以上となっております。
個人的な見解
近年は塗料の情報を入手しやすくなり、塗替えをご検討される方からフッ素が良い、遮熱塗料を検討したいなどのご相談を受けるようになりました。
無機塗料の相談も今後増えていくものと考えております。
無機塗料の特長が高耐久性ですので、おそらくご検討される方々が期待されるのは、塗り替える手間が省けることと、長く住む場合、一回の費用はシリコンなどと比較し高くなりますが、工事回数が減ることによるトータルでの費用が抑えられる可能性があり、そこではないかと思います。
このような目的でご検討されるのはライフプランの面からも良いことではないかと思います。
一方で、ハウスメンテナンスをしている立場ですので、別の面からもご提案をしてく思います。
端的に言えば、ハウスメンテナンスという視点では高耐久性=良い物とは言えないところもあります。
なぜなら、外壁以外にも外装には付帯物がたくさんあり、それぞれで耐久性が異なり、塗装できないものもあったり違う塗料で塗装したりします。また、足場を掛けてチェックすることで地上からでは把握できなかった傷みを発見することもあります。
再塗り替えをする際にも注意が必要で、高耐久性ということになるとその後もう一度塗る替えるとなったときに特殊な下塗り材を使用しなければならなかったりする場合があります。フッ素がそうです。この場合、下塗りのコストが上がったり、下地調整のコストがあがったりして、その想定が外れることがあります。
これらのことを踏まえ、現状、当社ではシリコン樹脂での10年~15年での塗替えをお勧めしておりますが、無機塗料もその性能の高さに魅力を感じる点もありますので、お客様の目的次第ではケースバイケースで使い分けることになるかと思います。
どちらが良い悪いではなく、あくまで本当にニーズがかみ合うものを選択すべきと考えております。
参考になれば幸いです。