今回はDIY塗装をされる方にいただく質問の中から、「木部塗装」の「塗料の選び方」を取り上げてみたいと思います。
最近は100均の商品の充実やDIYブームによってよく自作の棚を作ったなどのお話を伺いますが、加工しやすく、日本人になじみ深い木はよく使われる素材ではないかと思います。
そんなDIY家具、無垢の木の良さもありますが、家やお部屋のイメージから色を塗りたいという方も多くいらっしゃいます。
また、ウッドデッキや玄関柱など、ご自宅のちょっとした部分をご自身で塗りたい、塗り替えたいというご要望も伺います。
そんな皆様のために木部塗装について少しご案内できればと思います。
DIY向けに比較的塗装が簡単にできるものを選んでご紹介いたします。
まずは完成したときのイメージ
まず皆様に考えていただきたいのが、塗りたい物が完成した際の
見た目
の1点です。
これだけで何を使えばいいのかがぐっと絞れます。
絞れるということは、、、
そうなんです。木部塗装には色々な塗料や工法が存在します。
これを「見た目」で絞りたいのです。
色はもちろんなのですが、特に「木目を出したいか、木目を消したいか(木の感じを出すか消すか)」をイメージしてほしいのです。
出来上がりのイメージから塗料の種類を選ぶ
これが決まれば次は塗料の選定です。
木部塗装で推奨するのは「溶剤系塗料」もしくは「木部用塗料」です。
使い分けは様々なものが複雑に絡むのですが、ここでは上記の通り「木目の出方」に焦点をあてます。
「溶剤系塗料」・・・木目なし(塗膜タイプ)
「木部用塗料」・・・木目あり(浸透タイプ)、木目少しあり(半塗膜タイプ)
ちなみに上記2種類の塗料を説明すると
「溶剤系塗料」をわかりやすく言えば油性の塗料です。塗料には水性タイプと溶剤タイプがありますが、密着力や耐久性を考慮すると溶剤タイプの塗料をお勧めします。また溶剤系塗料には強溶剤と弱溶剤というすみわけがありますが、弱溶剤を使用してください。樹脂はウレタン樹脂系塗料が費用対効果が高く相性もいいのでおすすめです。硬い塗膜を作るので傷がつきにくく、汚れがついても掃除がしやすいです。
「木部用塗料」とは、木部に塗装するために作られた塗料で、こちらも水性タイプと溶剤タイプがありますが、木部用であればどちらを使用しても構いません。メーカーも言われていますが、耐候性に大差なしです。現在多くの塗料が環境に配慮して溶剤タイプから水性タイプに移行してきています。木部用については作業性の良さや臭いの点から水性タイプのほうがおすすめです。また、木部用塗料の多くは木の呼吸を妨げないので、水にぬれても腐りにくく長持ちする傾向があります。
見た目の違いはこんな感じ
文章よりは見たほうがわかりやすいと思い、当社にあるもので見た目別にささっとサンプルを作ってみました。(指触乾燥できるようになってすぐの状態です)
左から順に「無垢(木材そのまま)」「浸透タイプ」「半塗膜タイプ」「塗膜タイプ」です。
真ん中2つが木部用塗料で一番右が溶剤系塗料です。
右に行くのしたがって木目が見えにくくなっていきます。
写真だとわかりにくいですね~汗
下に拡大したものをアップします。
浸透タイプと半塗膜タイプの色はチーク色、塗膜タイプはチョコレート色を使用しました。
触った感じも違います。左へ行くほど木や節のざらっとした感触や凹凸が味わえ、右へ行くほど膜が厚く硬さや滑りを感じ平坦な出来上がりとなっています。
決まったら塗ってみよう
以上が見た目の違いです。
迷われているようでしたら、DIYですので、自分好みのものを塗ってみるのがいいかもしれません。
おそらくお店では買えないものが出来上がるはずです。
最後に私からおすすめの塗料を。
浸透タイプ・・・ガードラックラテックス(和信化学工業)
半塗膜タイプ・・・ガードラックアクア(和信化学工業)、オスモカラー(オスモ)
塗膜タイプ・・・セラMレタン(関西ペイント)
余談ですが、オスモカラーはドイツで作られた自然塗料で食品レベルの安全性を持ち合わせています。なかなか高価ですが、仕上りに人気がありますので、当社からも「逸品の紹介」ページでとりあげさせていただいております。
参考にご覧ください。
また、DIY塗装のご相談もメールにて受け付けておりますので、お困りのことやお悩みのことがございましたら、下記のページよりお問い合わせください。無償でのサービスとなっております。少しお時間をいただくかと思いますが、メールにて折り返しのアドバイスをさせていただきます。
DIY塗装のブログを今後もお楽しみに!!